キリスト教哲学者であり最大のラテン教父であったアウグスティヌス(Aurelius Augustinus, 354-430)の主著の一つ『三位一体論』(De Trinitate, 全十五巻)の中から、 彼の独特な「言葉」 verbum 概念の理解のために特に重要と思われる箇所を以下に翻訳する。 訳出はいづれも第十五巻からであり、当該箇所を示すと、第十一題二十節及び題十四章第二十三節から第十六章第二十六節までである。 第十四章第二十三節以下は一連の文章であるが、第十一章第二十節はそれに直接連なる文章ではない。 だが両者は内容的には密接な繋がりがある。また第十一章第二十節については一部分訳出していない。 なお訳出に際し使用したテキストは、『アウグスティヌス著作集』(ラテン・キリスト教著作家集)Aurelii Augustini opera, in: Corpus christianorum, series latina, Turnhout, 1954 ff. に所収のものであり、これは『三位一体論』ラテン語原典の新しい校訂本である。